こんにちは、raiです。
夏の食中毒って怖いですよね、そんな夏の食中毒のほとんどが細菌性食中毒なんです。
今回はそんな細菌性食中毒についてお話していこうと思います。
食中毒とは
食中毒とは、食品や飲料水などの飲食物、あるいは添加物、器具、容器、包装などに病原菌が付着し、その病原菌を摂取した際に人が発症する、急性の胃腸炎障害の主とする健康障害である。
食中毒の種類
食中毒は主に5つの種類に分類され
- 細菌性食中毒
- ウイルス性食中毒
- 自然毒食中毒
- 化学生食中毒
- 寄生虫食中毒
です。今回は、この中の細菌性食中毒についてもっと詳しく掘り下げていこうと思います。
細菌性食中毒って何?
細菌性食中毒は夏に発生する食中毒にうち、病因物質の判明した事件の多数が細菌食中毒である。原因の確認されていない食中毒も、発生状況から推測して大多数が細菌食中毒であると考えられている。
食中毒は一般的に食品に付着している病原菌が食品内で生育、増殖をして発症するのが特徴である。少量では、人に害はなく増殖をすることもない、しかしサルモネラ属菌、病原性大腸菌O157、カンピロバクターはごく少量でも感染・発症することが明らかになり、食中毒の中でもより注意のいる菌なのである。
細菌性食中毒は
- 感染型
- 毒素型
の2つに分けられ、さらに毒素型は食品内毒素型と体内毒素型に分けられる。
今回は毒素型について詳しく掘り下げていこうと思います。
食品内毒素型食中毒
主な食品内毒素型食中毒の特徴
菌名 | 主な症状 | 潜伏期 | 汚染源 | 主な原因食品 | その他 |
黄色ブドウ球菌 |
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黄色ブドウ球菌の生産するエンテロトキシンによって起きる。この毒素は100°Cで30分間加熱しても壊れない |
ボツリヌス菌 |
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毒素に対する血清型別によってA~Gの7型に分けられる。人が起こす食中毒はA B E F型で、日本はE型が多い |
ブドウ球菌食中毒
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、 球菌がぶどうのように固まって成り立っているのでその名前が付けられたとされる。
自然界に広く分布しているので、人の皮膚や口、鼻の粘膜に付着しているので怪我をして傷口ができるとそこから侵入して化膿を起こすことがある。
時には血液中に侵入し、敗血症を起こすこともある。
ブドウ球菌は、たくさんの種類があるが食中毒を起こすのは黄色ブドウ球菌だけで、増殖温度域が5〜47.8C°ととても広い、また10%の塩分濃度内でも増殖できる、最強でとても危険な菌なのです。
黄色ブドウ球菌は、食品内毒素型食中毒というように食品の中で菌が増殖した時に発生する毒素によって発症するもので、この毒素はエンテロトキシンである。エンテロトキシンは熱に強く、調理過程ほどの加熱では菌が死滅することはない。
症状
本菌は、感染型のものよりも潜伏期が1〜6時間と非常に短い。
食品中で菌が死滅していても、毒素が残っていると、中毒を起こす。
主な症状
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
症状の復活は早く数時間で回復する。
発生状況と汚染源
ブドウ球菌食中毒は、最も古くから知られている食中毒で、日本では1935年ごろから報告されるようになった。ここ10年では年間30〜70件の事件数が報告されている。
原因食品として
- バター
- チーズ
- シュークリーム
- おにぎり
- お弁当
- 調理パン
- 生菓子
などのでんぷん性食品と乳製品がほとんどである。
また自然界にも多く存在しているので、傷口から侵入して感染する恐れもある。
予防
エンテロトキシンは、120°Cで20分間加熱しても死滅しないので、加熱しても無駄である。
一般的な予防としては
- 手や顔に化膿巣がある人を調理台に立たせない
- 手先をよく洗う
- 食品を直接手で触れない
- 帽子、手袋、マスクを着用して調理する
などが有効な予防法で、特に鼻に菌がいるのでマスクは必須である。
ボツリヌス食中毒
ボツリヌス菌
ボツリヌスとはラテン語でソーセージという意味で、ソーセージによる食中毒として1000年前からヨーロッパ各国で知られている。
ボツリヌス菌はA〜Gの7つの型に分類され、人が起こす食中毒はA B E Fの4つの型である。
A,B型菌は耐熱性が高く死滅するには、100°Cで360分、120°Cで4分かかると言われている。
それに対してE型菌耐熱性が低く、80°Cで30分、100°Cで5分で死滅する。しかしE型菌はタンパク質を分解する能力はなく、増殖しても悪臭がしないため外見上わからないので注意が必要である。また3.3°Cという低温でも増殖するのも注意が必要である。
症状
この菌の毒素はとても猛毒でA,B型菌は致命率は70%以上と言われている。
潜伏期は2時間〜8日間で通常は12〜36時間程度である。
主な症状
- 腹痛
- 下痢
- 神経麻痺(手足の痺れ、物が二重に見えるなど)
- 重症になると呼吸困難から死亡する事もある
- 最近は抗毒素血清が作られ治療されている。
発生状況と汚染源
ボツリヌス食中毒は比較的に珍しい食中毒であるが、古くから発生している。
アメリカではA型、ヨーロッパではB型が多い。原因食品としては、野菜などの自家製缶詰やソーセージなどの食肉製品が多い。
日本では1951年に北海道でニシンのいずしが原因によるボツリヌス食中毒が報告されて以来、約100件による中毒が報告されている。
ボツリヌス菌は、土壌や動物の糞便が主な汚染源であが、東北地方で漁獲される魚類の内臓からしばしばE型菌が検出されている。これが、いずしの製造工程で増殖して感染したと考えられている。
また1984年には、からしれんこんによるA型菌による集団食中毒が発生し11名の死亡者を出した事件もある。
予防
ボツリヌス菌はA型菌を除き耐熱性があまり高くなく80°Cで20分加熱すると死滅すると言われている。
日本に多いE型菌は100°Cで5分加熱すると死滅する。
耐熱性の高いA型菌は
- 中心部を120°Cで4分間加熱またはそれと同等以上の方法で殺菌する事
- 生産から消費まで10°C以下で管理保存する事
が求められる。
生体内毒素型食中毒
この食中毒は感染の仕組み的には、感染型と食品内毒素型の中間型である。
菌名 | 主な症状 | 潜伏期 | 汚染源 | 主な原因食 | その他 |
ウエルシュ菌 |
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A〜E型があり食中毒を発生するのはA型だけである。耐熱性が強い |
セレウス菌
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耐熱性がある |
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56°Cで5分加熱で分解する |
ウエルシュ菌食中毒
ウエルシュ菌は酸素がない状態でしか発育しない菌で、A〜E型の5つの型に分類される。主な食中毒の原因はA型で100°Cで1〜4時間加熱しても死滅しないほど耐熱性に優れている。
症状
潜伏期は8〜22時間で12時間前後の物がほとんどである。
- 下痢
- 腹痛
これらが主な症状である。
発生状況と汚染源
ウエルシュ菌は土壌細菌であるが、人や動物の腸内にも存在する。
耐熱に優れているため、熱調理では生き残ってしまう。またその食品を常温放置した際には菌が増殖し、大規模感染が日本では発生している。
予防
- 10°C以下で保存する
- 高温保存をする
これらが有効で加熱食品には特に注意が必要である。
セレウス菌食中毒
セレウス菌
セレウス菌は、土壌、水などの自然界に多く存在し、野菜類や穀物類などから検出されることが多い。
研究が進み最近では、嘔吐型と下痢型に2種類があることが判明された。
症状
嘔吐型、下痢型共に
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
症状は24時間以上持続する。
発生状況と汚染源
嘔吐型は米と関係した物が多く、焼きそば、スパゲティーなどのでんぷんを含む食品が原因となる事もある。
下痢型の場合は、肉、魚、野菜やそれらが入ったスープやシチュー、お弁当などの多くの種類の食品で発生している。
予防
下痢型は、耐熱性が低く56°Cで5分の加熱によって分解される。
嘔吐型は、耐熱性が高く126°Cで90分間加熱しても死滅しないため
- 調理後は素早く食べる
- 残ったものは常温で保存せずに低温、高温で保存する
これらが有効になります。
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